イントロダクション:脇役が主役を超える瞬間
物語の中で最も目を引くキャラクターは、必ずしも主人公とは限りません。今回紹介する海外TikTok動画では、28年間脚本を手がけるプロの脚本家が「主人公の役割」と「物語の本質」について解説しています。これから脚本を書こうとしている人、ストーリーテリングに興味がある人にとって、目から鱗のアドバイスが詰まった内容です。
アップローダー紹介:Tom Vaughn(@storyandplot)
動画の投稿者はTom Vaughn。約28年間ハリウッドでプロの脚本家として活動しながら、脚本術の指導も行っている人物です。彼のTikTokチャンネル「@storyandplot」では、毎週火曜に無料のスクリプト講座メールも配信しており、初心者からプロ志向の人まで幅広く支持を集めています。
動画の要点まとめ
主人公は「最も面白いキャラ」である必要はない
Tom Vaughnは、主人公が最も魅力的でなければならないという誤解をまず否定します。多くの脚本家がこの点で悩み、「脇役のほうが面白い」と感じることはよくあるとのこと。
魅力的な脇役の例を紹介
『トゥームストーン』のドク・ホリデイ、『スター・ウォーズ』のハン・ソロ、『逃亡者』のトミー・リー・ジョーンズなど、主人公より目立つ脇役は数多く存在します。だからといって、彼らが「物語の主役」になるべきとは限らないのです。
物語で本当に重要なのは「感情の旅」
脚本において最も重要なのは、「感情的に共鳴できる旅」です。主人公は、最も深い変化・成長を遂げるキャラクターであるべきで、そこに物語の核があるとTomは語ります。
変化こそがストーリーの中心
ストーリーとは、キャラクターがどこから始まり、どこへたどり着くのかという「変化の旅路」。主人公はその変化を通じて観客の心を動かす存在でなければなりません。
主人公の「感情的インパクト」が鍵
観客に最も大きな感情的影響を与えるのは主人公であるべきで、それがストーリーの根幹になります。魅力的な脇役がいても、中心にあるのはあくまで「心の動き」です。
筆者の考察
多くの日本のドラマやアニメでも、主人公より人気が出るキャラが話題になりますが、それでも物語の中心にいるのは主人公です。それは、視聴者が「一緒に旅をする存在」として感情移入できるから。Tom Vaughnの言葉は、キャラクターの面白さとストーリーの軸を混同しがちな私たちに、脚本の本質を改めて教えてくれるものでした。脇役の魅力を活かしつつも、「主人公の心の旅」に集中する大切さを忘れずにいたいですね。
完全翻訳
あなたの主人公は、脚本の中で最も面白いキャラクターである必要はありません。
私はTom Vaughnと申します。約28年間プロの脚本家として活動しており、ほぼ同じくらい長く脚本の指導もしてきました。多くの新人作家が脚本を書く中で、「脇役の方が主人公より面白い」と気づくことがあります。
それはよくあることです。実際、脇役の方が魅力的な映画はたくさんあります。私のお気に入りの映画の一つ『トゥームストーン』では、ドク・ホリデイの方がワイアット・アープより断然面白い。『スター・ウォーズ』のハン・ソロもルーク・スカイウォーカーより魅力的ですし、『逃亡者』ではトミー・リー・ジョーンズの方がハリソン・フォードより印象的です。
でも、それで脇役を主役にするべきだというわけではありません。それは彼らの物語ではないからです。大事なのは、最も感情的に心を動かされる「旅」がどこにあるかということ。これこそが「ストーリー」です。
ストーリーとは旅です。そして変化の物語です。その人物がどこから始まり、どこにたどり着くのか。その主人公が最も面白い必要はありませんが、最も興味深い旅路を持っている必要はあります。
その旅の終わりにある感情的な共鳴、そして私たちに与えるインパクト。それは主人公でなければならないのです。だからといって、主人公が最も面白いキャラクターである必要はありません。
コメント