【nopebrigade0が語る】なぜファシズムが勝ち続けるのか?左派に足りないものとは

@nopebrigade0

Not everything is fascism! We need a better story of who we are that inspires all of us! Hope this helps!

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サマリー

近年、右派の影響力が増し続ける一方で、左派はその勢いに押されがちだ。本記事では、なぜ右派が支持を集めるのか、左派に足りない要素は何なのかを分析する。ポイントとなるのは「ファシズム」の本質と、右派が提供する魅力的な物語である。左派が単なる現状維持に終始し、団結を生むストーリーを持たないことが、結果的に右派の勢いを許しているのだ。

考察

ファシズムの定義とその魅力

「ファシズム」という言葉は、しばしば「嫌いなものすべて」を指すために使われるが、実際には明確な政治思想を持つ概念である。学者たちはファシズムを2つの方法で定義している。一つは、様々な歴史上のファシズムの特徴をリスト化する方法(ウンベルト・エーコやジェイソン・スタンリーなどが代表的)。もう一つは、「ファシスト・ミニマム」と呼ばれる、ファシズムの本質を抽出する方法だ。

本記事では、ロジャー・グリフィンの定義を用いる。彼によれば、ファシズムとは「神話的な核を持つポピュリスト・ウルトラナショナリズムの一形態」である。これを分解すると、以下の要素が浮かび上がる。

  1. 政治思想:社会の政治的なあり方を規定する。

  2. ポピュリズム:民衆運動であり、大衆の支持を集める。

  3. ウルトラナショナリズム:国家が絶対的な価値を持ち、個人の権利よりも優先される。

  4. パリジェネシス(paligenesis):国家再生の神話。これは「かつて偉大だった国が、特定の理由で衰退したが、再び栄光を取り戻せる」という物語である。

右派の提供する「国家再生の物語」

右派が魅力的なのは、パリジェネシスの物語を提示している点にある。現在のアメリカでは「我々はかつて偉大だったが、移民やトランスジェンダーの人々によって衰退した。しかし、国を再生し、再び偉大になることができる」というストーリーが展開されている。これは「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」というスローガンにも表れている。

一方で、左派はどうだろうか?左派は現状維持を優先し、統一的な物語を持たない。左派の主な論点は言葉の使い方や個別のアイデンティティに集中し、「国をどう導くか」という大きなビジョンを示せていない。例えば、「ホームレス」を「unhoused(住居を持たない人)」と呼び変えることは、本当に人々を救うのだろうか?単なる言葉の変更は、大局的な問題解決にはならず、むしろ細かい言葉の違いにこだわることで分断を生んでいる。

左派に必要なもの

左派が右派に対抗するためには、まず「統一された物語」を作る必要がある。右派は「白人キリスト教ナショナリズム」という枠組みを持っており、そこに多様な人々が組み込まれている。たとえ少数派の支持者が最終的には不利益を被るとしても、今の段階では「自分もその秩序の一部である」と感じられるようになっているのだ。

このような状況に対抗するには、左派も「未来に向けた希望の物語」を構築しなければならない。ただ単に「右派は悪い」と批判するだけでは人々は動かない。何を目指すのか、どのような国を作るのかという明確なビジョンが必要なのだ。

結論

右派が勝ち続ける理由は、彼らが「国家再生の物語」を持っているからだ。彼らは現状への不満を利用し、「過去の栄光を取り戻そう」という希望を提供している。一方、左派は言葉の細かい違いにこだわるあまり、団結を生む大きな物語を提示できていない。

左派がこのままでは、右派の勢力拡大を止めることはできない。必要なのは、言葉の使い方を巡る議論ではなく、「人々を一つにする希望のストーリー」だ。何を守るのか、どんな未来を作るのか。そのビジョンを明確にしなければならない。結局のところ、「何かを守るため」ではなく、「何かを築くため」に人々は動くのだから。

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