選挙と感情の交差点で生まれた誤解とは?
今回ご紹介するのは、アメリカの人気TikToker・madeline_pendleton(マデリン・ペンドルトン)による話題の動画。動画では、2024年米大統領選をめぐる彼女の投票選択が、ネット上で「人種差別主義者」だと誤解され、批判された経緯を語っています。SNS時代における「誤解の連鎖」や「感情と記憶のトリック」に焦点を当てた内容は、政治やメディアリテラシーに関心がある人にとって非常に示唆的です。
アップローダー紹介:madeline_pendletonとは?
madeline_pendletonは、カリフォルニア在住のソーシャリスト(社会主義者)で、政治的な発信や労働問題について積極的に意見を述べるTikTokerです。彼女の率直な語り口と、個人的体験をもとにした視点には、多くのフォロワーから共感が寄せられています。
動画の内容まとめ
「三角思考」とは? 感情が事実を上書きする瞬間
madelineは、かつて友人カップルとの間で見聞きした「三角思考」という概念を紹介。これは、「出来事→感情→その感情を正当化するために出来事を再構築」という思考の癖で、感情と現実のギャップを埋めるために、人は新たなストーリーを作ってしまうという心理的メカニズムです。
自身のPTSDと感情の引き金
彼女は、自身のPTSDの経験から、「些細な出来事が過去のトラウマを呼び起こし、感情が過剰に反応してしまうことがある」と述べています。このような「感情のトリガー」は誰にでも起こり得るもので、感情が真実のように感じられてしまう原因の一つだと説明します。
なぜ「差別発言の疑い」をかけられたのか?
madelineは2024年の選挙で、カマラ・ハリスではなく、ソーシャリストのクラウディア・デ・ラ・クルス(どちらも黒人女性)に投票したことを公言しました。そのことで「民主党支持でない=人種差別的」と曲解され、彼女が発してもいない差別発言がネット上で事実のように広まってしまったと語ります。
インターネットと「マンダラ効果」
彼女は、「実際には起きていないのに、多くの人が“記憶している”出来事」が共有される現象=マンダラ効果とこの事例を重ね、「人々が感情を正当化するために事実を作り替えてしまった」と解釈しています。
民主党批判と「トークナイジング」の危険性
madelineは、白人民主党支持者が黒人トランス女性を「例」として持ち出し、彼女を批判する材料に使ったことに対し、「少数派を“免罪符”として利用している」と批判します。これは、彼女が過去から一貫して訴えてきた構造的差別の問題とリンクしています。
筆者の感想と考察
madeline_pendletonの語りから見えてくるのは、「感情は必ずしも事実を反映していない」という冷静な指摘と、SNS時代の情報の危うさです。特に選挙のように人々の感情が高ぶる時期には、事実確認よりも「共感できる物語」が優先され、誤解が拡大しやすくなります。日本においても、同様の現象がSNS上で頻繁に見られる今、自分の感情と向き合いながら冷静な判断をすることの重要性をあらためて感じました。
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