導入文
「卵の価格」よりも「ガザ情勢」が選挙に影響した？──政治系TikTokで注目を集める海外クリエイター、madeline_pendleton氏が語るのは、2024年米大統領選でカマラ・ハリス副大統領が敗北した本当の理由。SNS上の“雰囲気”で語られる誤情報と、実際のデータをもとにした鋭い指摘が話題です。政治やメディアリテラシーに関心がある方にぜひ見てほしい内容です。
アップローダー紹介
madeline_pendletonは、政治・社会問題について鋭い視点から語るTikToker。研究や事実に基づいた論考が人気で、若年層を中心に幅広いフォロワーを持っています。今回の動画では、アメリカにおける“反知性主義”と、その政治的影響について語っています。
動画の内容を要約
「反知性主義」が選挙結果に影響
Pendleton氏は、現代のSNS文化において多くの人が“雰囲気（vibes）”だけで世界を理解しようとしていると指摘。情報を自分で調べず、TikTokなどで気に入った人物の意見を鵜呑みにする傾向が強まっていると述べています。
「卵の価格」が争点という誤解
「ハリスが敗北したのは物価、特に卵の価格のせい」とする声に対し、Pendleton氏はそれを否定。実際には多くの有権者が外交、特にガザ地区でのジェノサイド（虐殺）問題に強い関心を持っていたと主張しています。
ガザ政策に失望した有権者たち
選挙後の調査によれば、バイデンには投票したがハリスには投票しなかった1900万人のうち、29%が「イスラエルの暴力を止める政策の不在」を理由に挙げています。つまり、約600万人がこの問題で離反しており、それが結果に直結したと分析しています。
ハリスの発言と姿勢
ハリス氏はCNNのインタビューで「イスラエル支持を変えない」と明言しており、「停戦（ceasefire）」を求める声も、虐殺の終結にはならないとPendleton氏は述べています。彼女はバイデン政権の外交政策に明確に追随していたという事実を強調しています。
アメリカ国民は“愚か”ではない
最後にPendleton氏は、「卵の価格」と「ガザのジェノサイド」は切り離せないと主張。アメリカの帝国主義的資本主義が、物価上昇も戦争も同根であることを見抜いている有権者は多いと語ります。
筆者の感想や考察
madeline_pendleton氏の動画は、SNSの情報環境に流されやすい現代人に警鐘を鳴らすものであり、非常に示唆に富んでいます。特に「反知性主義」と「データに基づいた議論」の対比は、日本でも共通する課題です。感情的な議論ではなく、事実に基づいた政治判断が求められていることを改めて実感しました。また、ガザ情勢を含めた国際問題がアメリカの選挙にどれだけ深く関わっているのか、日本のメディアではあまり報じられない視点でもあり、興味深く感じました。
完全翻訳
反知性主義が進行した結果、人々は“雰囲気”だけで世界を理解しようとしています。誰も調べようとせず、ただTikTokで何本か動画を見て、雰囲気が好きな誰かの言うことを鵜呑みにしてしまう。リサーチが好きで、でも雰囲気が最悪な人間にとっては残念な話です。
このような状況だからこそ、明らかに間違っていることを本気で信じている人たちが増えてしまうのです。例えば「ハリスがジェノサイド支持で負けたなんて、左翼の妄言」と言う人がいますが、それは間違いです。実際には、人々は外交問題に強く関心を持っています。
SNS上でガザの惨状を目にしたくない人は多く、私たちの税金で子どもたちが殺されていることに心を痛めている人もいます。選挙期間を通じて、左派は民主党に対して、ガザに対する姿勢を改めるよう訴えてきました。
DNC（民主党全国委員会）前では抗議が続き、それを無視して耳を塞いで通り過ぎた議員たちの映像も残っています。これは陰謀論ではなく、事実です。「ガザ政策を変えなければ勝てない」と左派が訴えたにも関わらず、民主党は「君たちは必要ない」と突っぱねました。
選挙後の調査では、1900万人の「バイデンには投票したがハリスには投票しなかった」人々のうち29％が「イスラエルのガザ攻撃を終わらせるべきだった」と答えました。これは600万人に相当します。もしハリスが政策を変えていれば、彼女の得票数は8100万票に達し、トランプの7700万票を大きく上回っていたでしょう。
しかし彼女は明確に「政策は変えない」と答えました。CNNのインタビューで、「武器供与などに関して政策変更は？」と聞かれ、「ない」と即答したのです。
もちろん、アメリカ人は卵の価格にも怒っています。しかしそれ以上に、子どもたちの遺体をビニール袋で拾う父親の映像を目にしたときの衝撃の方が大きい。そうした現実に目を向けないのは冷酷です。
ハリスが敗北した理由は、ジェノサイドを支持したからです。100%そうだと言えるかはともかく、少なくとも30%はそれが理由であり、それは選挙結果を左右する大きな要因でした。
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